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2025年度共通テストを独自分析! 英語編②問題解説・共テ英語への対策法

投稿: 2025年02月05日 00時38分投稿 カテゴリ: 入試 Kazuhiro171013263 tp v4

第8問を使って共テ対策を具体的に!

ではどのような対策を立てたらよいのでしょうか?
それは主に以下の2点です。
①本文を読むスピード対策
②選択肢の判定の仕方

ここでは、第8問を題材に、上記の2点についてお伝えします。
基本的には型にはまったエッセイ作成問題で、計算を要する問題があったりして面倒ではありますが、文章自体は短いので何とか得点を稼ぎたい問題です。
全部やっているとキリがないので、問1だけです。
ちょっと細かいですが、当塾の教え方として参考になれば幸いです。

①本文を読むスピード

ここではまた2つのポイントがあります。

ポイント⑴ 目を通す順番

国語の古文が参考になると思いますが、テストというのはただ真正面から順番に目を通していては間に合わず、見る手順を変えることでスピードアップを図ることができます。
第8問はその典型で、手順にコツがあります。

まずは 「Step2 POSITION」 を最初に確認します。
Space exploration is not a good idea. と書いてあるので、
筆者はこの話題(宇宙開発)に対して「⊖(否定的)」な立場を取っていることが分かります。
さらに、問3の解答では、筆者と同じ意見(⊖)を持つ人が2人いるため、全体としては5人のうち「⊖」が2人、「⊕(肯定的)」が3人という構成になります。

この情報を最初に整理して頭に入れておくと、本文の流れを理解しやすくなります。あとは、この前提を踏まえながら、順に問題を解いていくとよいでしょう。

ポイント⑵ 本文の読み方

ここでは説明文、特に意見文の読み方について紹介します。
正確な和訳を作ることではなく、大まかな内容、特に筆者の意見をつかむための読み方です。

【問1 メイリンの意見として最適なものはどれか。】
まず、メイリンの意見が、話題(宇宙開発)について⊕(肯定)か⊖(否定)かを捉えます。

本文を読む時はここに注目します(和訳は割愛)。
“It is probably dangerous” → これはメイリンではなく、Hawkingの意見→無視
“they will seek to conquer Earth ~” → ⊖
“For me, this is the greatest threat.” → ⊖
結論として、メイリンは宇宙開発に対して完全に⊖で、特に”alien”について恐れていることが分かります。

本文を見るときは今回は以下のような単語や表現に注目しています。
● probably 確信度を表す副詞 maybe, perhaps など
● will 助動詞(個人の推論を示す) must,shall,can,may,各過去形。確信の度合いに関係なく全部チェック。
● For me 個人的な意見を示す表現・単語 I think, I’m sure その他 suppose,seemなど
国語では注目表現(◎)としてチェックします。

今回はないですが、逆接(△)も重要です。
英語だと but, though, while, however などです。

読んでから和訳して判断するのではなく、最初からこれらの表現を探します。
今回の場合なら”For me, this is the greatest threat.” (⊖)さえ見ておけば十分です。

文字情報で説明すると果てしなく面倒に見えますが、慣れればこちらの方がはるかに速いです。
こういう見方を練習して身につけることが大切で、もちろん物語文にもこういうポイントはあります
そしてそれはすべて国語の読み方と一致し、なんだったら英語を読む時の方が役に立ちます。
英語の方が内容が簡単で分かりやすく、日本語よりも論理的だからです。

②選択肢の判定の仕方

説明が長くなりましたが、次に選択肢を確認します。
一番は、⊕⊖で判定することです。

メイリンは宇宙開発に対して完全に⊖の持ち主なので、単語の意味さえ分かれば、①だけが⊖で、他の②③④は⊕になることがわかります。
なので答えは①です。これなら素早く判断できますね。

あとは、話題でとらえるのも有効です。
メイリンは”alien”について⊖と考えているので、
caution(警戒・警告)は可能性あり→△
invention(発明),science(科学),trust(信頼)話題として関係ない、という見方です(慎重を期すなら scienceを△)。
話題と⊕⊖の判定を組み合わせることで確率が上がります。

この話題で判定する方法は問2でも有効です。
①経済、私企業
②給料が高い
③政治的に難しい
④ISS(国際宇宙ステーション)
詳細は割愛しますが、各選択肢はこのような話題について書いているので、それに近いものを選べば、答えは①です。
慎重に判断したとしても、①と②を△で保留しておいて、あとで選べば①になると思います(ダブルチェック解答法:詳細は後述)。

これらの手順と考え方は技術なので、トレーニングすればだれでも身につけることができます。
英文を読みながら和訳するのか、英文を読みながら話題や構成をつかむのか、の違いです。
私は後者の方が速く、正確で、得点につながりやすいと考えます。
このあたりの「英文を和訳しながら読む弊害」については、また詳細を説明したいと思いますが、少し簡単な例を挙げておきます。

強引な和訳が害になる簡単な例

” She listened to his poor performance.”
を【彼女は彼の「貧乏な」「演技」を聞いた。】と訳してしまうと意味が分かりません。
正しくは、【彼女は彼の「下手な」「演奏」を聞いた】となるのですが、このような「正しい訳」をしろと言っているのではなく、「知らない・分からないなら訳さない方がいい」と言いたいのです。
上記の文を【彼女は彼の「プアーな」「パフォーマンス」を聞いた】と保留しておけば、少なくとも誤解は避けられます。あとは文脈判断でカバーすればいいんです(チェロを習っている彼の発表会に行った、など)。

※ダブルチェック解答法

共通テストでは、選択肢を一つずつ完全に判断しようとすると時間がかかりすぎてしまいます。
そのため、まず明確に判断できるものだけを消し、曖昧なものや判定しづらいものはいったん△で保留しておく方法が有効です。
このように、一度で完璧に選ぶのではなく、2回に分けてチェックすることで、むしろ解答スピードを上げることができます
分からないものに時間をかけすぎず、すぐに「△」として保留するのがポイントです。

さらに、可能であれば「〇△(たぶん選ぶ)」「✕△(たぶん選ばない)」という形で大まかに判断をつけておくと、後から迷う時間を減らせます。

このように最初のチェックで大まかに分類し、2回目のチェックで確定させることで、無駄な迷いや確認作業を減らし、素早く正確な解答が可能になります。

さらに

共通テストでは、根拠が明確でなくても、直感的に選んでしまってかまわないという考え方が重要です。
特に、2択まで絞れれば50%の確率で正解を選べることを強く意識しておくべきです。そうすることで迷って時間を浪費することなく、スピーディに解答できます。
共通テストでやってはいけないのは、「分からないのに考え込んで時間を使うこと」です。

国語の解説でも強調しましたが、共通テストはスピード勝負です。
すべての問題には「時間を使わせるような罠」が仕掛けられていると考えて、いかに速く解答するかが大切です。わからない、できない、難しいと感じた瞬間に、即座にスピードアップするべきです。