本山で国語と英語の専門塾 | ONEスタイルアカデミー

新着情報

2025.8.20

読書感想文の書き方とAIの利用の仕方_前編

毎度おなじみ、ONEスタイルアカデミーの伊藤です。

お久しぶりのブログです!

夏休みでなかなか筆が進みませんでしたが、少しずつ書きためていこうと思っています。

さて、今回のテーマは『読書感想文』です。

前に一度書いたテーマですが、時代背景の変化もあって、修正と加筆を加えて再掲載します。

ちょっとタイミングが遅くなりましたが・・・今後の参考にしてください。

今回さらに、『AIの利用の仕方』を加えて書きます。

学校の宿題にAIを利用してもいいのか?というのはよく議論になりますが、

総合的に見ると批判的、つまりAIを利用することについて反対の意見が多いように思えます。

結論から言うと、私は『AIを積極的に利用すべき』派です。

どの科目においても、積極的に活用した方がいいと考えていて、特に国語と英語の学習については、今後もはや必要不可欠なものになっていくでしょう。

ただし、その使い方についてはある程度の制限が必要だとも思います。

以下にそのあたりを詳しく説明します。

読書感想文を通じて、AIの使い方についても私見を示しますが、これは生徒本人だけでなく、保護者の方にも参考になると思います。

ぜひご参照ください。

いきなり書かない→プロットを作る

まずは読書感想文について。

これについては、前に掲載したものを再編集してお送りします。

読書感想文に限らず、苦手な人は「何を書いたらいいのか分からない」と言います。

これは、いきなり書き始めるからそうなるのです。

これは無謀というもので、映画を作るときに絵コンテも台本もなしにいきなり撮影を始めるようなものです。

まずは書くためのネタを箇条書きにして並べてみましょう。

こういうものをプロットといい、文章を書くための設計図のようなものです。

プロットの書き方はいろいろありますが、感想文のプロットは以下の型に従って書いてみましょう。

この型どおりに書けば、少なくとも何を書けばいいのか分からないことはなくなるし、文章の上手下手の差も出にくくなります。

読書感想文の型は以下のようなものです。

① あらすじ

② なぜその本を読もうと思ったのか

③ 印象に残った場面

④ ③についてどう思ったか

⑤ なぜそう思ったか

⑥ 関連する自分の体験・エピソード

⑦ ⑤を踏まえて、今後どうしていきたいか

とりあえず、この型に従って書いてみればどうでしょうか?これだけネタがあれば、少なくとも原稿用紙で2枚分ぐらいは書けるはずです。

◎長く書くコツ

感想文というと、ほとんどの人は④【どう思ったか】の部分のことだと考えています。

しかし、ここを中心にしてしまうと、「面白かった」とか、「感動した」などの一言感想文になってしまい、文が短くなってしまいます。

たいていの感想文の宿題は原稿用紙2枚以上などの制限があるので、みんな困ってしまいます。

結局、①の【あらすじ】や、③の【印象に残った場面】のところをなが~~~~~く・うす~~~~く引き伸ばして書いて、字数を稼ぐしかなくなってしまうのです。

キチンとした作文を書くのであれば、感想以外のところのボリュームを増やさなければいけません。

そのために重要になるのは、⑥【関連する体験・エピソード】です。

これは、読んだ本の中にあることに関連して、自分自身が体験したことやエピソードです。

自分でなくても人から聞いた話や、テレビで見た情報でも構いません。

ここをしっかり書くことで作文に厚みが生まれるし、高評価にもつながります。

逆に言えば、感想文を書くときは⑥がありそうな本を選びましょう。字数を稼ぎたいのなら⑥でどうぞ。

例)最近お金の話をよく聞く・お金持ちになりたい(笑)人 

→ 『ジェイソン流お金の増やし方』(厚切りジェイソン)※投資を含むお金の話

サッカーが好きな人 

→ 『凛と咲く なでしこジャパン30年目の歓喜と挑戦』(日々野 真理)※サッカー女子日本代表がワールドカップで優勝した時のドキュメンタリー

料理が好き・冒険が好きな人 

→ 『面白南極料理人』(西村 淳)

関連するエピソードや興味のまったくない本は選ばない方がいいです。

本が指定されている場合はあらすじを読んで、自分の興味や経験につながりそうか確認しましょう。あらすじはネットで調べればいくらでも見つかります。

◎プロットの例

では実際にプロットを作ってみましょう。

題材は『ワンピース』です。みんなが知っているマンガですが、型にはめればちゃんとした作文になるものです。小6男子のレベルで作ってみました。

①【あらすじ】

村を飛び出した少年ルフィが海賊王をめざして旅をする。途中でであった仲間とともに成長し、敵と戦ってどんどん強くなっていく。

②【なぜその本を読もうと思ったのか】

友達が読んでいておもしろいと言われたから

③【印象に残った場面】

サンジが海上レストランを出ていくとき、オーナーに「クソお世話になりました」と泣きながら土下座をするシーン

④【③についてどう思ったか】

チョー感動した

⑤【なぜそう思ったか】

それまで仲間に対してぶっきらぼうだったサンジが泣きながらこんなことを言うなんて意外だった。本当に感謝していたんだと思う。

⑥【関連する自分の体験・エピソード】

ぼくもお世話になった人はたくさんいるのにこんなにちゃんとお礼を言ったことはない。サッカースクールのコーチ、塾の先生、親など

今までの仲間と別れて新しい場所に入っていくのって大変だよな。小2で転校したとき、新しい塾に入った時など

⑦【今後どうしていきたいか】

お世話になった人にはお礼をちゃんと言ったほうがいい。でもクソはつけない方がいいと思う。

転校してすぐ少しいじめみたいのがあったけど、やりかえしたらなくなった。いじめっ子の○○君とは今もビミョーな関係。こういうこともある。いちいち気にしてもしかたない。みんなと仲良くなれるわけじゃない。

こんな感じです。

いいことや美しいこと、前向き・希望といったことにこだわらなくてもいいので、とにかく思いついたことを書いてください。書いているうちに別のことを思いついたら、それも書いておく。こうしてネタを作ってから書き始めるのです。

一見面倒な作業に思えますが、実はいきなり書き始めるよりもはるかに早く終わります。皆さんが作文に時間がかかるのは、何を書こうか考えている時間が長いからです。

書くことを先に決めておけば、あとは書くだけなので、無駄な時間をかけずに済みます。

◎型通りの読書感想文 

ではこのプロットをもとに作文を書いてみましょう。

つなぎや表現の工夫などはほとんど気にせず、立派なことを書こうとしない、美しい文章を書こうとしないでそのまま書けばいいです。

多少幼稚な表現にはなりますが、これくらいでいいんです!

色のついているところが「型」の部分です。

書き方が分からない人は、以下の型をマネして、それ以外のところを自分の読んだ本や体験・エピソードで埋めてみましょう。

ぼくは、「ワンピース」というマンガを読みました。

①【あらすじ】 この本は、村を飛び出した少年ルフィが海賊王をめざして旅をする。途中でであった仲間とともに成長し、敵と戦ってどんどん強くなっていくという話です。

②【なぜその本を読もうと思ったのか】 なぜその本を読もうと思ったのかというと、友達が読んでいておもしろいと言われたからです。

③【印象に残った場面】 特に印象に残った場面は、サンジが海上レストランを出ていくとき、オーナーに「クソお世話になりました」と泣きながら土下座をするところです。

④【③についてどう思ったか】 この場面を見て、ぼくはものすごく感動しました。

⑤【なぜそう思ったか】 なぜそう思ったのかというと、それまで仲間に対してぶっきらぼうだったサンジが泣きながらこんなことを言うなんて意外だったからです。本当に感謝していたんだと思います。

⑥【関連する自分の体験・エピソード】 この場面に関連して思い出してみると、ぼくもお世話になった人はたくさんいるのに、こんなにちゃんとお礼を言ったことはないなあと思いました。サッカースクールのコーチや塾の先生、親などです。

あとは、今までの仲間と別れて新しい場所に入っていくのって大変だよなと思います。僕も小学2年生でで転校したときや、新しい塾に入った時など、すごく緊張してなかなかなじめませんでした。

転校してすぐ少しいじめみたいのがあったけれど、やりかえしたらなくなりました。いじめっ子の○○君とは今も微妙な関係です。でもこういうこともあると思います。みんなと仲良くなれるわけじゃないので、気にしないようにしたいと思います。

⑦【今後どうしていきたいか】 これらの場面を読んで今後どうしていきたいかというと、お世話になった人にはお礼をちゃんと言ったほうがいいなあと思いました。でも失礼で怒られるかもしれないのでクソはつけない方がいいと思います。

ワンピースはとても面白いので、みんなにもすすめたいです。

いかがでしょうか?これくらいだったら誰にでも書けると思いませんか?

作文が苦手という人は、まずはこのレベルから書いてみましょう!

後編はAIの使い方について説明したいと思います。

新着情報一覧へ戻る arrow_forward